経営資源

経営資源とは経営のために必要な資源や組織能力などの総称で、経営資産と呼ばれることもある。一般的には「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の4つに分類されている。ヒトは人材・社員のことであり、モノは機械設備や建物、原材料や工具類などの物的資源、カネは現金や借入金などの資金である。「情報」の解釈は人によってやや異なるが、一般的には技術力や信用、ブランドなどが含まれる。

経営資源の中でもっとも汎用性が高いのはカネである。カネは生み出された経緯とは関係なく、金額が同じであれば同じ価値を持ち、市場で売っているものならなんでも買える。人を雇う、物を買う、情報を手に入れるなど、他の経営資源に変換したり銀行に預けて保存したりすることもできる。

カネよりも汎用性は低いが、市場に出回っている設備や建物などの物的資源も高い汎用性を持っている。ただし企業の中で内製されたものは汎用性が低いこともあり、企業や業種に特異的である。また、人的資源も能力特性に応じて汎用性の程度は異なる。

先にも記述した通り、情報の解釈は人によって異なるが、このサイトではノウハウや暗黙知、組織文化など明文化されていない、あるいは明文化できないものも情報に含める。

情報は経営資源の中でも異質な存在である。情報の特徴としてはまず、いくら使っても減らないことである。時間経過による相対的な劣化というのはあるかもしれないが、使用することで劣化することはない。また複数の人や場所、分野などで同時に使用することができる。これらは物理的な実態を持たない情報特有のものである。

情報資源の価値

モノやヒトと同様に情報も汎用性の低いものと高いものが存在する。汎用性の高い情報というのは様々な企業や業種で使用できるものであるが、現代の情報社会においては汎用性の高い情報はあまり大きな価値を持たない。もちろん企業にとって必要な情報も多く存在するわけだが、これらは簡単に手に入るかカネで買えるものが多い。むしろ汎用性の低い情報のほうが企業にとっては大きな価値を持つ。なぜなら、他の企業では真似できない強みとなるからである。

情報資源として真っ先に思いつきやすいのは特許などの技術である。特許は確かに企業の資源として価値を持つわけだが、それだけで企業が存続していくことは難しい上に、いずれは廃れてしまうものである。特許よりも特許を生み出す技術やプロセスといった情報のほうが大きな価値を持っている。プロセスやシステムといったものはカネで買えるものではないし、作るのに時間がかかるものである。このような情報資源は競合企業が簡単には真似できない、あるいは真似したとしてもベースとなる知識や組織文化が異なるためうまくいかないケースがほとんどである。

経営資源の循環と蓄積

企業は経営資源を投入し、何らかの変換を行なうことで製品やサービスを提供している。変換過程では技術の蓄積、製品やサービスの提供では売上・利益・信用といった成果を獲得し、カネと情報という経営資源を新たに生成しているといえる。これらの新たな経営資源は従業員の賃金、原材料や設備などの購入、変換過程の調整や発展など再び経営資源の獲得のために使われる。

このプロセスからも分かる通り、企業というのは活動しなければ発展しない。経営資源の投入というインプット、組織内での変換というスループット、製品やサービスの提供というアウトプットをうまく循環させることで顧客の信用、ノウハウや暗黙知などの技術、組織文化といった情報資源を蓄積するのである。

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