経営学

経営学とはもちろん経営に関する学問であるが、「経営学」という言葉は2つの異なる領域を示すことがある。ひとつは社会科学としての経営学、もうひとつは実践経営としての経営学である。この2つの「経営学」の立場を理解しておかないと「なぜこのような議論をしているのか?」「なぜ実際の経営に役立ちそうもないものを研究しているのか?」といった疑問を持つだけでなく、内容自体を理解するのも困難になってしまう。

科学としての経営学

社会科学での経営学の研究対象は経営現象である。具体的には企業における経営であるが、近年では学校や図書館、政治団体など非営利企業の経営も含むものとなっている。また、捉え方によっては組織だけではなく個人レベルにも適用できるものもある。

経営現象は非常に複雑であるため、経営学の研究領域も多岐にわたる。そのため、現在の経営学は複数の科学の統合的な研究として扱われる。このような研究方法はインターディシプナリー・アプローチと呼ばれ、複数の学問領域にまたがることから日本では学際的アプローチと呼ばれる。

経営学は学際的という特徴を持っているため、同じ経営学者という肩書きを持っていても専門分野が異なることがある。大きく分けると経済学、社会学、心理学を専門としている経営学者が多い。いずれはこれらの分野を統合した研究や理論が必要となるわけだが、現状はそれぞれの分野の理論が独立している。そのため経営学の総合的な教科書というのはほとんど存在していない。

経営学カテゴリーの分類のひとつとして、企業と社会との関係性というマクロな視点で論じるドイツの「経営経済学」と、企業の内部環境の管理に関するミクロな視点に立つアメリカの「経営管理論」がある。日本ではこの2つをまとめて経営学と呼んでいる。

別の視点での主な研究カテゴリーとしては、外部環境との適応をテーマとする戦略論、組織のあり方をテーマとする組織論、経営における意思決定をテーマとする意思決定論などがある。研究領域はもちろんこれだけではないが、細かく分けると収拾がつかなくなるのでこの3つだけを挙げておく。また、このサイトにおいてもこの分類方法を用いる。

経営学が科学であるためには理論の実証が必要になるわけだが、実験によって検証されることはほとんどない。それは、実験のために企業を作ることができないこと、既存の企業に協力してもらうにしても要素が複雑であるため検証することが難しいことなどが挙げられる。なお、理論の構築や実証には、企業の過去の事例が用いられていることが多い。

実践経営としての経営学

経営哲学やマーケティング、財務、会計、生産管理、経営学を含む社会科学またはその知見を応用したもの、などの幅広い領域が実践経営としての経営学となる。学問というよりは「経営に関する知識」という意味合いで使われることが多い。このサイトでもこちらの立場をとる。

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